こんばんは、しめじです。
そろそろ、秋の総合型選抜に向けて、本腰入れて準備し始めた人も多いのではないでしょうか。専門学校の入試だと、早い人だともう目前に迫っている、というタイミングかもしれませんね。
総合型選抜は、つい数年前まで「AO入試」と呼ばれていたものと大体同じものになります。
「総合」と名がつくとおり、ただ英数理国社の学力が高ければいい、というものではなく、授業以外の学校での学習活動や課外活動、あるいは学外での自主的な活動にどう取り組んで、どんな素質を身につけたか。学校側が目指す教育と、受験生が受けたい教育がマッチしているか、どれくらい、その分野について自ら進んで学んでいるか、などなど、本当に「総合的に」判断される入試となります。
大きな特徴は、学校の推薦書が要らない、という点です。
と言うことは、入試での判断材料は、全て自力でそろえなければならない、ということでもあります。
(もちろん、学校には志望理由書の添削やアドバイス、面接の練習はどんどんお願いして大丈夫ですよ)
そうなると難しいのが、志望理由書や学習計画書、面接で答える内容の準備。
そこで今夜は、ちょっと面接のことについて書こうと思います。
目次
結局、志望動機を聞いている。
なんでそこまでして確かめるのか?
ということは、何を伝えればいいのか。
どうやったら伝わる?

結局、志望動機を聞いている。
面接では、大学や専門学校のなどの入試だと
・志望動機
・自己アピール
の二点を中心に聞かれます。
志望動機は、
・その学問分野(専門学校であればその職業)を目指す理由。
・その分野の勉強ができる学校のなかでも、とりわけその学校を選んだ理由。
・どんなことに力をいれて学びたいか。
・卒業後はどのようなキャリアプランを考えているか。
という内容の質問が多くなります。
自己アピールは、
・長所、自分の強み、秀でているところ。
・学校生活でがんばったこと、努力したこと。
(そして、それを通して何を身につけたか)
・どれくらい、その分野に関心を持って、自分から調べたり学んだりできているか。
が中心になります。
いろいろな角度から、いろいろな聞き方で、あれこれ聞かれますが、最終的にはすべて「志望動機」を聞いています。
つまり、本当にそれを学びたいのか、本当にそれを学ぶことでその人のキャリアプランが実現されるのか、自分の学校はその人の目的に本当に合致しているのか、そういうことを確かめているわけです。
もちろん、一部の高学力帯の学校は、そこに「本当についてこられるのか?」が加わりますが、はっきり言ってごく一部です。
なんでそこまでして確かめるのか?
なぜって、学校はビジネスだから。
これにつきます。
学校は慈善団体ではありません。あくまで、受験料や授業料などで稼がなければなりません。稼いで、それを設備や人員に投資します。そして、さらに学生を集めて、さらに稼ぎます。そしてそれをさらに投資します。これを延々と繰り返します。
あるいは、有名私立大学になると、極めて特異かつ優れた能力をもつ学生を優待することで、その学生に広告としての役割を担ってもらっています。それで、さらに学生が集まります。
つまり、一言でいうと「やめて欲しくない」わけです。
やめられると、その後の授業料が入って来ません。
かといって、「一人空いたから誰かどうぞー」なんてわけにもいきません。
入ってこないまんまです。
だから、最後までしっかり通い続けてくれる生徒に来てもらわないと困ります。
また、卒業後の実績も大事です。
特に専門学校。あるいは地方の大学。
専門学校は、業界からの評判も大事です。悪評が立つと、就職先が減りますから。就職先が減って就職率が下がると、受験生が減ります。
地方の大学も、卒業生の受け入れ先は地域の企業が大半です。ということは、地元にそっぽ向かれたらアウトです。
北陸地方の大学などは、特に就職指導、キャリア指導が手厚いと評判ですが、近隣地域からの学生が多く、卒業生も地域に就職することが多いので、しっかりキャリア支援するのは回り回って自分たちの学校の利益になります。
だから、最後までしっかり通い続けてくれて、さらにしっかりその業界に就職してくれるだろう人を見抜かなければなりません。
ということは、何を伝えればいいのか。
以上のことを踏まえると、面接は基本的に
自分はその学校で学ぶことで、成し遂げたいことがしっかりと定まっていて、その思いは本物で、変わらない強いものなのだ
ということを伝える必要があるわけです。
「やりたいことは入学してから勉強に励んで視野を広げて探します」は、基本的にはマイナス要素だと思ってください。
「そうやって言ったけど合格した」という人もいるかもしれませんが、おそらくそれはそのマイナスを覆して余りある、別の「面白さ」があったからでしょう。
自分にそういう光る何かがある、という自信がないなら、悪いことは言いません、下手な冒険に出るのはやめたほうが賢明だと思います。
どうやったら伝わる?
では、どうやったらそういうことが先方に伝わるのでしょうか。
まず、「それに詳しい」というのは基本的な条件です。
例えば、選手もチームもルールもほとんど何も知らないのに、「サッカー好きです!」という人って、まああんまりいません。いるのかもしれませんが、まああんまりいません。いたとしても、それと「信じてもらえるか」は別問題です。
大抵、好きなものって詳しくなるはずなんです。
調べもしない、学びもしないで「好きです」は、説得力にはどうしても欠けてしまいます。
ですから、時事的なことがらや、今日その業界、分野が抱える問題や大きな流れ(トレンド)は、ある程度知っている必要はあります。
例えば、看護を目指す学生が「ケア」と「キュア」の違いが説明できない、とか、「トリアージ」という言葉の意味がわからない、となると、「本当に関心あるの?」となってしまいます。
特に専門学校であれば、「その仕事の実際」もある程度は調べるといいでしょう。
先ほども書いた通り、「ちゃんと就職してくれるか」が大事なポイントになってくるわけですが、無論、すぐやめられたら学校としても困ります。
ということは、その仕事の実際を知識としてでも持っているか、は大事です。
例えば、教員志望の学生が、先生は四六時中生徒と関わって、生徒の成長に毎日目をキラキラさせて、オリジナリティ溢れる授業を作るために準備に没頭している仕事だと思っている人がいれば、やっぱりちょっと「もう少し調べたら?」と思ってしまいます。
あくまで自治体職員である以上、仕事はそれだけじゃないですからね。
次は、自分のことがよくわかっていること、これも大事です。
つまり、本当にその仕事、その分野の勉強に向いているのか、を、ちゃんと把握しているのか、ということです。
分野によって、やっぱりある程度必要な資質は変わって来ます。
例えば私が専攻していた文化人類学、その中でもフィールドワークとルポルタージュ作成を中心に行うなら、見ず知らずの全く違う文化をもつコミュニティに一人飛び込んでも面白がれるタフさは必要です。行ったこともない場所で、友達になったこともないような人たちと親密にならなければならない場面もあります。
(集落の維持が限界を迎えつつある農村に行き、半分くらい方言で何言っているかわからないおじいちゃんおばあちゃんと仲良くなり、頼みこんで家に泊めてもらい、「標準語でしゃべるよそもん」とか言われながらも寄り合いの宴会で仲良くお酒飲めるところまで漕ぎ着けてルポをまとめた時はとても楽しかったです)
一方、色々条件を変えながら、失敗にもめげずに実験を続ける辛抱強さは私にはありません。でも、多分理工系だと必要になることが多い資質でしょう。
という風に、分野や職業によって求められる資質は違います。
ということは、自分がそれに向いているかどうか、は、自分で分析して語れる必要があります。
この二つが、絶対に伝えなければならないところだと思います。
今度は、もう少し具体的な内容について書こうと思います。
もしも、誰かの参考になれば幸いです。
では、今夜はこの辺で。
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