こんばんは。しめじです。
今夜は、古典の文法の基礎基本、用言の活用の練習問題を出します。
もしよければ、考えてみてください。
とてもシンプルに、「説明」の問題から始めましょう。
例題:次の短文の太字部の語について、説明しなさい。
長く引いて時を告ぐるのであった。(伊藤佐千夫「水害雑録」)
答え:ガ行下二段活用動詞「告ぐ」の連体形
という具合です。
「告ぐる」は、口語でいうところの「告げる」だろう、というのは容易に考えられます。ということは、後ろに「ず」をつけると「告げず」。
つまり、下二段活用の動詞。「げ」とか「ぐ」なので、ガ行。
下二段活用の動詞の活用表を思い出すと、「~uる」となるのは連体形。終止形(基本形)は、「~u」なので、「告ぐ」。
と考えていけば正解にたどり着きます。
活用の種類+品詞+「基本形」+活用形
この四つを説明すれば、用言にまつわる文法的な説明はおおむねコンプリートです。
では、やってみましょう。
問題:次の短文の太字部の語について、説明しなさい。
人に遅れて、四十九日の仏事に、ある聖(ひじり=僧侶)を請じはべりしに、説法いみじくして、皆人涙を流しけり。
(人に先立たれてしまい、その四十九日の法事のため、ある僧を招きましたところ、その僧の説法が大変すばらしいもので、参席した人皆、涙を流した)
(徒然草 百二十五段)
1「遅れ」
2「はべり」
3「いみじく」
4「し」
5「流し」
人は、己をつづまやかにし、おごりを退けて、財(たから)を持たず、世をむさぼらざらんぞ、いみじかるべき。昔より、賢き人の富めるは稀なり。
(人は、質素簡潔にして、おごりたかぶる気持ちを退けて、財産を持たず、世間での評判や名声をむやみに欲しがらないようにすることが、すばらしいことである。昔から、賢明な人が裕福であるということは稀(まれ)である。)
(徒然草 十八段)
6 つづまやかに
7 退け(しりぞけ)
8 持た
9 いみじかる
10 賢き
11 富め
三月三日は、うらうらとのどかに照りたる。桃の花の今咲きはじむる。柳などをかしきこそさらなれ、それもまだまゆにこもりたるはをかし。ひろごりたるはうたてぞ見ゆる。
(三月三日は、うらうらとのどかな日差しである。桃の花がちょうど咲きはじめるのが趣深くて良い。柳などが風情があるのは言うまでもないが、それがまだ繭(まゆ)にこもっているようなのも風情があってよい。広がってしまったものは鬱陶しく見えて好ましくない)
(枕草子 四段)
12 のどかに
13 をかしき
14 をかし
15 見ゆる
以上、15問。
パッと見たら簡単に解けそうなものから、今の日本語と大分形が違うのでよく考えないといけないものまでそろえてみました。
じっくり、考えてみてください。
では、今夜はこの辺で。