こんばんは。しめじです。
昨夜は脱線しましたが、今夜から真面目に古典文法の話をしていきます。
まずは、動詞の活用から。
前回は、活用形の六つと、その働きや持つ意味について話をしました。
今夜からは、いよいよ、活用の種類に入っていきます。
この活用の種類は、のちのち助動詞の理解にも必須になってきますので(この知識なしで助動詞を全部覚えるのはとんでもなく大変。十中八九挫折します。私も嫌です)、しっかり覚えて欲しいと思います。
とはいえ、基本的には今から話す「四段活用」という活用の活用形がわかれば、それと比べながら覚えていけばいいので、そんなに難しくありません。何度か口に出せば、覚えられると思います。
では、本題。
目次
活用の種類って何があるの?
活用は、動詞、形容詞、形容動詞、助動詞の四つの品詞に存在しています。(それ以外のことばは、文の中にどう登場しても形が変わらないということです)
ただし、「活用の種類」があるのは動詞、形容詞、形容動詞だけです。助動詞は、そのうちのどれに似ているかによって、「〇〇活用型」と言います。
動詞は九種類、形容詞と形容動詞は二種類ずつ、計14種類の活用の種類があります。
まずは、覚えておけば最もお世話になる、基本中の基本、動詞の活用からです。
動詞の活用の種類
古典文法における動詞の活用の種類の話をする前に、今の日本語の動詞の活用の種類を思い出しておきましょう。全部で五種類です。
言えましたか?
五段活用、上一段活用、下一段活用、サ行変格活用、カ行変格活用、ですね。
古典は、これが少し増えます。正確には、古典では多かった活用の種類が、似たものがまとまることで少なくなった、ということです。
古典文法における活用の種類は、
四段活用、ナ行変格活用、ラ行変格活用、上一段活用、上二段活用、下一段活用、下二段活用、サ行変格活用、カ行変格活用
の九つです。このうち、
四段、ナ行変格、ラ行変革→五段活用
上一段、上二段→上一段
下一段、下二段→下一段
とまとまりました。サ行変格活用とカ行変格活用はそのままです。
いきなり何のこっちゃと思うかもしれませんが、それは順を追って学んでいくしかありません。今は混乱しているかもしれませんが、一つずつやっていきましょう。
四段活用、ナ行変格活用、ラ行変格活用
見た方が早いですね。これです。

一番左、「ナ変」はナ行変格活用、「ラ変」はラ行変格活用のことです。長いので、参考書などではこういう風に省略するのが一般的です。
一番上:四段活用
一番上が四段活用。中学校で習った五段活用とほぼ同じだということがわかると思います。というか、同じです。
むしろ、何が違うのかを見つける方が難しいかもしれませんね。
四段活用には、未然形の「〜お」がありません。「書こう」「行こう」という言い方が古典にはないんです。「書かむ」「行かむ」になります。
だから五段ではなく、四段なんです。「あいうえ」の四つしか使わないからです。
それ以外は五段活用と同じ形をしています。「あいううええ」で覚えればOKです。見分け方も、中学校の国語でやったのと一緒です。
「〜ない」を意味する、「〜ず」をつけて、「書かず」「走らず」のように、「あ」の音になるものが四段です。
真ん中:ナ行変格活用
その下、ナ行変格活用。四段と違うものだけピンクで色付けしました。「なにぬぬるぬれね」と口に出して覚えましょう。
このナ行変格活用は、「死ぬ」「いぬ(往ぬ、去ぬ)」の二語しかありません。今は五段活用の方に統一されています。
「いぬ」は、漢字を見ても分かる通り、「(はなれて)いく、立ち去る」というような意味があります。
一番下:ラ行変格活用
一番下、ラ行変格活用。これも四段と違う部分を色付けしました。
なんと、終止形が「あり」です。
中学校までは、「動詞は「う」で終わるんだよ」と教わってきたと思います。今の日本語は確かにそうです。でも、古典では違います。
ただ、ラ行変格活用も、動詞の数は少ないです。覚えるべきは四つ。
あり、をり、はべり、いまそがり(いますがり、いまそかり)
この四つです。ちなみに、すべて「ある」とか「いる」とかの、そこに存在していることを意味する動詞です。
ということで、今夜はここまでにします。
この四段活用の形が身につけば、それ以外は比較しながら覚えることで覚えやすくなると思います。
次は、上なんとか活用、下なんとか活用の話をしようと思います。
では、今夜はこの辺で。